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教皇フランシスコ 2023年5月24日の一般謁見 バチカン・聖ペトロ広場 教皇フランシスコ 2023年5月24日の一般謁見 バチカン・聖ペトロ広場  (VATICAN MEDIA Divisione Foto)

「聖アンデレ金が示す福音宣教の情熱の模範」教皇一般謁見

教皇フランシスコは、5月24日(水)、バチカンで一般謁見を行われた。

 教皇フランシスコは、5月24日、バチカンの聖ペトロ広場で水曜恒例の一般謁見を行われた。

 この日、教皇は「福音宣教の情熱:信者の使徒的熱意」をテーマとしたカテケーシスで、使徒的熱意の証し人として、韓国のカトリック教会における殉教者で最初の司祭、聖アンデレ金大建(キム・デゴン)神父(1821年 – 1846年)を取り上げられた。

 教皇のカテケーシスの要旨は次のとおり。

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  今日は、韓国のカトリック教会における殉教者で最初の司祭、聖アンデレ金大建(キム・デゴン)の中に、福音宣教の情熱の偉大な模範を見つめよう。聖アンデレ金神父の生涯は、福音の告知への熱意を雄弁に証しし続けている。

 およそ200年前の韓国は、キリスト教徒に対する非常に厳しい迫害の舞台であった。韓国ではこの時代、イエス・キリストを信じることは、死に至るまでの証しを与える覚悟ができていることを意味していた。

 特に、聖アンデレ金神父の模範に、わたしたちはその二つの具体的な面を読み取ることができる。

 一つは、同神父が信者たちと会うために使っていた方法である。非常に危険な状況を前に、同聖人は目立たない方法で、常に他の人々がいる中で、キリスト教徒たちに近づかなければならなかった。

 そこで、相手がキリスト教徒であることを見分けるために、聖アンデレ金神父は、まず前もって合意したしるし・合図等を用いた。そして、声を低めて、「あなたはイエスの弟子か?」と尋ねた。まわりに会話を聞いている人たちがいるために、小さな声で最も本質的な言葉だけを口にした。つまり、同神父にとって、キリスト者のすべてのアイデンティティーを要約するものは、「キリストの弟子」である、ということだったのである。

 事実、主の弟子であることは、主と、主の道に従うことである。キリスト者とは、イエスについて話し、イエスを証しする者である。

 すべてのキリスト教共同体は聖霊からこのアイデンティティーを受け取り、全教会は聖霊降臨の日にそれを受けた。まさにそこから福音宣教への情熱が、聖霊の賜物として生まれたのである。

 たとえ、取り巻く状況が容易ではなくとも、その情熱は変わらない。むしろ、困難の中でより大きな価値を得るのである。聖アンデレ金神父とその同志たちは、迫害の時代にもたさされた福音の証しは、信仰のために多くの実を結ぶということを証明した。

 聖アンデレ金神父の二つ目の具体的模範を見よう。聖アンデレ金がまだ神学生であった時、彼は外国からの宣教師を秘密裏に迎える方法を見つけなければならなかった。当時の体制はすべての外国人に国内に入ることを厳しく禁じていたために、これは容易なことではなかった。

 ある時、同聖人は、雪の中を食べずして歩き続け、あまりに長く歩いたために雪の上に倒れ、凍死する危険にあった。その時、彼は突然「起きて、歩きなさい」という声を聞いた。聖アンデレ金は、彼を導く誰かの影のようなものに気付き、再び起き上がった。

 韓国の偉大な証し人のこの体験は、わたしたちに、使徒的熱意の重要な一面、すなわち、倒れた時に再び起き上がる勇気を教えてくれる。

 たとえ、状況がいかに困難でも、時には福音のメッセージを残す余地がまったくないように思われても、福音宣教という、キリスト教生活における本質的なものを前進させることをあきらめてはならない。

 これが道である。「わたしはどのように宣教したらいいのだろう」と皆思うだろう。しかし、これらの偉大な人々を見つめつつ、わたしたちは自分にできる小さいことから考えよう。家族や友人に福音を宣べ伝え、喜びと力にあふれた心で、イエスについて語ろう。

 この力を与えてくれるのは聖霊である。もうすぐ来る「聖霊降臨」の日に、それを受けられるよう準備しよう。そして、使徒的勇気と、常にイエスのメッセージを伝える福音宣教の恵みを祈ろう。

24 5月 2023, 16:07

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