教皇「キリストの十字架から憎しみではなく愛を学ぼう」

教皇フランシスコは、訪問先のカザフスタンで信者らと共にミサを捧げられた。

 教皇フランシスコは、カザフスタン訪問2日目、9月14日午後、首都ヌルスルタンでミサを捧げられた。

 このミサは、2017年の万博会場跡地を利用した総合施設のグラウンドでとり行われた。

 カザフスタンのカトリック信者らは全人口の1%に満たない「小さな群れ」であるが、同国におけるカトリック教会の起源は、フランス王、聖ルイ(ルイ9世)が、宣教師たちをモンゴルを目指して派遣した13世紀にまでさかのぼる。

 14世紀初頭、ヨハネ22世はチャガタイ・ハン国に手紙を送り、キリスト教徒への寛容に感謝を表している。しかし、同世紀半ばから迫害が始まり、19世紀、カザフ地域がロシア帝国の下に入るまでは、同地のキリスト教徒についての情報はない。

 20世紀前半、戦争の影響で、また移民、難民、強制移住者としてこの地域に入ったカトリック信者の中で残留・定住する人たちがいた。

 1991年、ソビエト連邦構成国から「カザフスタン共和国」として独立後、1992年、教皇庁との国交関係を樹立。2001年には、聖ヨハネ・パウロ2世が同国を訪問した。

 教皇フランシスコの今回の訪問によって、21年ぶりにローマ教皇を迎えたカザフスタンの信者たちの喜びは大きい。

 典礼歴で「十字架称賛」を祝ったこの日、ミサにはカザフスタンだけでなく、周辺国からも多くの信者らが参加し、教皇を歓迎した。

 教皇はミサの説教で、「キリストの十字架から、憎しみではなく愛を、復讐ではなく赦しを学ぼう」と呼びかけ、広げたイエスの両腕に神の優しさと受容の愛を示しながら、兄弟愛のもとに共に生きることの大切さを強調された。

14 9月 2022, 16:22