教皇「希望の使者として人身取引に共に反対を」
毎年2月8日、教会暦における人身取引犠牲者の保護者、聖ジュゼッピーナ・バキータの日、カトリック教会の「世界人身取引に反対する祈りと啓発の日」が記念される。
聖年を背景とする今年の「世界人身取引に反対する祈りと啓発の日」のテーマは、「希望の使者:人身取引に共に反対を(仮訳)」。
この「祈りと啓発の日」の前日7日、教皇フランシスコは、人身取引の撲滅に取り組む奉献生活者の国際ネットワーク「タリタ・クム」の代表者らにお会いになると共に、同記念日のためにメッセージを発表された。
このメッセージを通し教皇は、この聖年において「希望の巡礼者」として人身取引に反対する道を共に歩むようにと招いている。
女性や、子ども、若者、移民・難民をはじめ、現代の奴隷制度に囚われている無数の人々を前に、どのように希望を育み続けることができるのか、と教皇は問いつつ、わたしたちの希望、キリストに眼差しを上げることによってのみ、暗い中で小さな光を灯し、その光を一つに合わせることで、あけぼのが訪れるまでの夜の闇を照らすことができる、と答えている。
教皇は、人身取引と闘う世界中の若者たちの姿から、希望の使者となり、粘り強さと愛をもって共に行動し、被害者に寄り添う必要を学ぶように勧める。
そして、神の助けをもってこそ、不正に慣れることを防ぎ、ある種の現象を根絶やしにすることは不可能と考える誘惑を遠ざけることができる、と述べている。
人身取引は複雑で常に変化し、戦争や紛争、飢餓、気候変動の影響を悪用して育つ現象であると教皇は指摘。
人身取引に反対するために、グローバルな対応とあらゆるレベルにおける共通の努力の必要を示しながら、人間の尊厳を守り、あらゆる形の人身取引をなくし、世界平和を推進するための取り組みを促すよう、すべての人々、特に政府や諸組織に呼びかけている。
人類は皆兄弟であるという認識のもと、人身取引や搾取をなくし、基本的人権の尊重がまさる状況を大いなる努力をもって共に作り出していくことができるよう、教皇は聖バキータの取り次ぎを祈られた。
