マンベルティ枢機卿:力尽きるまで神の民に仕えた故教皇を追悼
教皇フランシスコの葬儀から始まった9日間の喪の期間「ノヴェンディアーリ」は、5月4日(日)、最終日を迎えた。
同日、枢機卿団のプロトディアコノ(※ 枢機卿団内で、名義上「助祭」のオーダーに属する枢機卿たちの間で、最も早く枢機卿の任命を受けた者をいう。教皇選挙においては、新教皇の選出を発表し、その名前を告げる役割を担う)、ドミニク・マンベルティ枢機卿によって、「ノヴェンディアーリ」9日目のミサ(最終回のミサ)が、枢機卿たちおよび教皇儀式の奉仕者たちと共に捧げられた。
マンベルティ枢機卿は説教で、この日の福音朗読箇所、ヨハネ福音書中の、イエスがティベリアス湖畔で再び弟子たちにご自身を現された場面(21,1-19)を取り上げた。
この箇所は、復活されたイエスと弟子たちとの出会いと、イエスからペトロへの使命の委託を語ったのち、「わたしに従いなさい」とイエスが命じる言葉で終わっている。
マンベルティ枢機卿は、ペトロがイエスから受けた使命とは、愛そのものであり、それは教会とすべての人々に奉仕することであった、と強調。
主の愛と恵みに支えられ、力尽きるまでその使命に忠実であり続けた教皇フランシスコの姿に、皆が深い感動をおぼえたと語った。
人間よりも神に従う必要を力ある者たちに示し、福音の喜びと、いつくしみ深い御父、救い主なるキリストを、その教皇職と、司牧訪問、自らの態度や生き方を通して全人類に告げた教皇フランシスコを同枢機卿は回顧。
復活祭の日、バチカンの大聖堂の祝福のロッジアで、教皇フランシスコの近くにいたマンベルティ枢機卿が見たものは、教皇の苦しみはもとより、神の民に最後の最後まで仕えることを望むその勇気と固い決意であったと振り返った。
また、マンベルティ枢機卿は、ミサ中の第二朗読、ヨハネの黙示録(5,11-14)に、玉座に座っておられる方と小羊とに対する、天地を挙げての賛美と、ひれ伏した礼拝が描かれているように、礼拝とは教会のミッションと信者の信仰生活の本質的側面であると指摘。
教皇フランシスコが、東方三博士の幼子イエスへの訪問等を観想しながら、仕えるために来られた王、人となられた神の神秘を前に、心を屈して跪き礼拝する必要を説き、祈りと礼拝の再発見へと人々を招いていたことを追想した。
同枢機卿は、教皇フランシスコの礼拝へと向かう力は明らかなものであり、そのエネルギーに満ちた司牧生活と無数の謁見は、聖イグナチオの霊操に培われた祈りの時間から力を汲み取っていた、と話した。
教皇フランシスコの活動のすべては、聖母の眼差しのもとに行われていた、と述べた同枢機卿は、ご自身が愛した聖母子画「サルス・ポプリ・ロマーニ」の近くに今は眠る教皇を、感謝と信頼の祈りと共に聖母に託した。
