教皇レオ14世、神学生たちとの黙想会で 2025年6月24日 バチカン・聖ペトロ大聖堂 教皇レオ14世、神学生たちとの黙想会で 2025年6月24日 バチカン・聖ペトロ大聖堂  (@Vatican Media)

神学生の聖年:教皇「キリストの御心をもって愛するように」

教皇レオ14世は、「神学生の聖年」の参加者のために、黙想の講話を行われた。

 6月23日(月)から27日(金)にかけて、「神学生(23-24日)」「司祭(25-27日)」「司教25日」をそれぞれ対象とする3つの聖年行事が記念される。

 これらの行事には、世界各国からおよそ6千人の参加が予定されている。

 最初にスタートした「神学生の聖年」では、参加者らは、23日午後、ローマの城壁外の聖パウロ大聖堂でロザリオの祈りを唱え、続いて「召命」をテーマにしたコンサートに耳を傾けた。

 そして、24日午前、神学生らはバチカンの聖ペトロ大聖堂の「聖年の扉」に向けて巡礼。到着した大聖堂内で、教皇レオ14世が講話を行う黙想に参加した。

 教皇はこの席で、神学生たちはもとより、神学生たちを引率する養成担当者らに歓迎の挨拶をおくられた。

 教皇は神学生たちに、「今日、ここにおられる皆さんは、巡礼者であるだけでなく、わたしやすべての人にとって、希望の証人でもあります。なぜなら皆さんはこの容易ではない時代に、司祭への召命という魅力的な冒険に身を投じたからです」と話しかけられた。

 イエスは、何よりもご自身との友情、そして「同じ山を登る仲間たち」との友情を体験するように呼びかけられると教皇は述べ、その体験は司祭叙階後も、人生のあらゆる面において熟していくもの、と語られた。

 教皇は、皆さんの持つ何ものも無駄にされてはならないが、それはすべて、幸福な人間、幸福な司祭となるために、また皆さんの近くにいる人にとってキリストと出会うための妨げではなく「橋」となるために、「一粒の麦」の論理のうちに解釈されなければならない、と述べられ、「そうです。キリストは大きくなり、わたしたちは小さくならねばなりません。それはわたしたちが御心にかなった牧者となるためです」と説かれた。

 この養成と識別の時期において、自分の歩み全体を通しての「エンジン」となる「心」に注意を払うようにと教皇は助言。

 今日、敵対的、自己陶酔的風潮のある社会・文化を背景に、わたしたちはイエスのように愛し、行動することを学ぶ必要がある、と話された。

 キリストが人間の心で愛されたように、皆さんもキリストの御心をもって愛するように招かれている、と教皇は述べつつ、そのためにはまず神の声を聴くための内的努力・内的生活の必要を強調。

 「心に立ち返れ、心の中に神の足跡を見つけるからだ」と聖アウグスティヌスも招いているように、神はまさにそこに、心に話しかけられる、神との出会いがなければ、自分すら本当に知ることができないと指摘された。

 教皇は、神の現存を受け入れる従順な心を育むために聖霊によく祈るように、また、毎日の黙想や祈り、沈黙を通して心を大切にいたわるように勧められた。

 「イエスの御心のように温和で謙遜な心を持ってください」と教皇は神学生らに願われ、忘恩と権力への渇望が見られる世界で、切り捨ての論理が勝るように見える中、感謝の心とキリストの無償性、大いなる喜びと歓喜、キリストの御心の優しさといつくしみを証しするようにと呼びかけられた。

 現在を生き、預言的な心で未来を見つめながら、司祭生活に情熱をかけて欲しいと、教皇は将来の司祭らを励まされた。

24 6月 2025, 16:52