「憎悪が育つ場所で平和を芽吹かせよう」教皇、地中海地域の若者に
教皇レオ14世は、9月5日、地中海地域の若者たちのグループとの出会いを持たれた。
「地中海青年委員会」と呼ばれるこのグループは、イタリア司教協議会の主催で2020年にバーリで、2022年にフィレンツェで開かれた、地中海をめぐる国際会議を機会に形成された。
教皇は、世界平和の基礎として、地中海地域に暮らす人々の平和的な共存を願う若者たちの、教会や政治組織を通して対話を推進する活動に感謝を述べられた。
紛争と暴力に引き裂かれた時代において、軍拡競争と支配の論理が国際法と公益に優るように見える状況にあっても、気落ちしたり、諦めることなく、明日ではなく、今こそ、希望を証ししながら、夢と創造力をもって本質的な貢献をして欲しいと、教皇は青年たちに願われた。
「断ち切られた絆を再び築き、暴力によって破壊された町を再建し、干からびた土地に花を咲かせ、希望を失った者にそれを取り戻させ、自分の中に閉じこもっている人に兄弟を恐れないようにと促すこと」を説いた教皇フランシスコの言葉(地中海の司教たちの出会い、イタリア・バーリ、2020年2月23日)を示しながら、レオ14世は若い人々に、起きていることを無批判に受け入れたり、それから目を背けることなく、誰かの最初の一歩を待たずに行動する世代のしるしとなるようにと励まされた。
平和はグローバルな議題として、国々のリーダーたちの机上にのせられているが、それはしばしば単なるスローガンに矮小されてしまう、と教皇は述べつつ、むしろ心や人間関係の中で平和を育み、日々の行いの中や自分が置かれた場所でそれを開花させる必要を指摘。
恐れることなく、憎悪や怨恨の種が育つ場所で、平和を芽吹かせ、分断と敵対が広がる場所で、一致を織り出すようにと、地中海地域の青年たちを勇気づけられた。
