ランペドゥーサに到着した移民船 ランペドゥーサに到着した移民船  (ANSA)

教皇「憐みなくして正義はない」

イタリアのランペドゥーサ島での移民救助のプロジェクト「受け入れの姿勢」が、ユネスコの無形文化遺産リスト登録のために立候補したことが現地で発表された。教皇はこれを機会に関係者にビデオメッセージをおくられた。

 イタリアのランペドゥーサ島での移民救助のプロジェクト「受け入れの姿勢」が、ユネスコの無形文化遺産リスト登録のために立候補したことが、9月12日、現地で発表された。

 この立候補は、フランスの団体PEROUによって推進された。このプロジェクトは、同団体が立案した移民の海上救助に特化したヨーロッパ最初の船「アヴニール」計画と連動したもの。

 教皇レオ14世は、このプロジェクトの立候補を機会に、関係者に向けビデオメッセージをおくられた。

 この中でレオ14世は、2013年、教皇フランシスコが登位後最初の旅として行ったランペドゥーサ訪問を回想。

 これまで、「希望を求める絶望的な旅」に出た移民たちに手を差し伸べてきた教会や行政、医療界などすべての関係者に心からの感謝を述べられた。

 「憐みなくして正義は存在せず、他者の痛みに耳を傾けることなくして正当性はない」と述べた教皇は、母親や子どもたちを含む多くの犠牲者たちを悼みながら、これらの犠牲者は地中海の奥底から、天にだけでなく、わたしたちの心にも向かって叫びを上げている、と話された。

 教皇フランシスコがまさにランペドゥーサ島で告発した「無関心のグローバル化」は、今や「無力感のグローバル化」へと変化した、とレオ14世は指摘。

 教皇フランシスコが「無関心のグローバル化」に対抗して「出会い」の文化を提唱したように、今日、わたしたちは、「無力感のグローバル化」に対抗し、「和解」の文化を築き始めたい、なぜなら、「和解とは、出会いの特別な形」だからである、と語られた。

 出会いと和解の道を共に歩むことで、平和の島々は増え、平和をすべての民とすべての被造物に届けるための橋を支える存在となるだろう、とレオ14世はこのビデオメッセージで強調された。

13 9月 2025, 14:04