チャールズ3世英国王 2025年10月23日 ローマ・城壁外の聖パウロ大聖堂 チャールズ3世英国王 2025年10月23日 ローマ・城壁外の聖パウロ大聖堂  (@VATICAN MEDIA)

聖パウロ大聖堂で、チャールズ3世への名誉称号授与の儀式

イギリスのチャールズ3世国王は、ローマの「城壁外の聖パウロ大聖堂」を訪問。カトリック教会と英国国教会の相互の友好のしるしのもとに、同大聖堂の「国王兄弟会員」の名誉称号を受け取った。

 イギリスのチャールズ3世国王は、10月23日午前、カミラ王妃と共にバチカンを公式訪問し、教皇レオ14世と会見した。

 この訪問で、同国王夫妻はシスティーナ礼拝堂で被造物の保護を意向とした祈りに参加。ローマ教皇と、英国国教会(イングランド国教会)の首長であるイギリス国王が5世紀ぶりに共に祈った。

 同日午後、ローマにおける教皇直属の4大バシリカの一つ、「城壁外の聖パウロ大聖堂(サン・パウロ・フォーリ・レ・ムーラ)」を訪問したチャールズ国王夫妻は、同大聖堂主席司祭ジェームス・マイケル・ハーヴェイ枢機卿と、同大聖堂に隣接するベネディクト会修道院のドナート・オリアーリ修道院長の出迎えを受けた。

 聖年の「聖なる扉」から大聖堂に入場した国王夫妻は、聖堂の中央祭壇まで長い本廊を進み、祭壇前の「コンフェッシオーネ」にある使徒聖パウロの墓前を訪れた。そこでは、英国国教会のスティーヴィン・コットレル・ヨーク大主教によって祈りが捧げられた。

 続いて行われたエキュメニカルな儀式では、ハーヴェイ枢機卿が、城壁外の聖パウロ大聖堂と英国との強い歴史的つながりを振り返り、特に1966年のパウロ6世とマイケル・ラムゼー・カンタベリー大主教との出会いを、宗教改革以降のカトリックと英国国教会の対話の決定的な一歩として思い起こした。

 そして、オリアーリ修道院長が読み上げたラテン語の式文を通し、カトリック教会と英国国教会の「相互の友好」と「エキュメニカルな共通の取り組み」のしるしのもとに、チャールズ3世に、教皇直属バシリカ・城壁外の聖パウロ大聖堂および同修道院における「国王兄弟会員」としての名誉称号が贈られた。

 この儀式で、チャールズ3世は、英国王室の紋章の下に「一つにしてください」(参照 ヨハネ17,21)と、ラテン語で背の部分に記された椅子に座っていた。この椅子は、同国王自身とその後継者が今後も使用するために、大聖堂のアプシスに残される。

 儀式終了後、英国王夫妻は、バシリカに隣接したベネディクト会修道院を訪問、同院の歴史ある図書館を見学した。

 

23 10月 2025, 19:34