教皇レオ14世、英国王夫妻を迎え、エキュメニカルな祈りを共に
教皇レオ14世は、10月23日、イギリスのチャールズ3世国王とカミラ王妃をバチカン宮殿に迎えられた。
チャールズ英国王は、このたびカミラ王妃を伴い、公式にバチカンを訪問。
エキュメニカルとエコロジーをテーマにしたこの訪問で、同国王は、教皇レオ14世と会見、さらにシスティーナ礼拝堂での被造物の保護を願う祈りに参加、教皇はもとより、カトリック教会、英国国教会(イングランド国教会)の両教会関係者と共に祈りを捧げた。
ローマ教皇と、イングランド国教会の首長であるイギリス国王が共に祈りを捧げるのは、5世紀ぶりのこととなった。
**********
チャールズ国王夫妻は、23日午前、バチカンに到着。出迎えを受けた聖ダマソの中庭では、英国国歌がバチカン警察の楽隊によって演奏された。
教皇レオ14世は、バチカン宮殿内で英国王夫妻を迎えられ、個人会談を持たれた。
続いて、チャールズ国王はバチカンの国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿と国務省で会談。これと並行して、カミラ王妃は、バチカン宮殿のパオリーナ礼拝堂を見学した。
この後、システィーナ礼拝堂で、教皇レオ14世と、英国国教会のスティーヴィン・コットレル・ヨーク大主教による、被造物に対するいたわりを意向としたエキュメニカルな祈りの集いに国王夫妻は出席。両教会の代表・使節が参列する中、教皇とヨーク大主教の英語による先唱に続き、皆と共に祈りを唱えた。
この祈りの集いには、システィーナ礼拝堂聖歌隊と並んで、ロンドンのセント・ジェームス宮殿チャペル・ロイヤルの少年少女の聖歌隊員や、ウインザー城セント・ジョージ・チャペル聖歌隊のメンバーらが参加。英語とラテン語による美しい調べを礼拝堂に響かせた。
その中では、ミラノの聖アンブロジオ(アンブロジウス)司教教会博士(340頃-397)によって記され、聖ジョン・ヘンリー・ニューマン枢機卿(1801-1890)によって英訳された賛歌が、詩編8と64などと共に歌われた。
19世紀の英国出身の神学者ニューマン枢機卿は、英国国教会の司祭からカトリックに改宗、やがて枢機卿となった。2010年9月、教皇ベネディクト16世の英国訪問の際に列福され、2019年10月、教皇フランシスコによりバチカンで列聖された。当時皇太子であったチャールズ国王もこの列聖式に参列している。来たる2025年11月1日には、教皇レオ14世によってニューマン枢機卿に教会博士のタイトルが贈られることになっている。
最後に、教皇レオ14世とコットレル大主教により、創造主なる神に祈りが捧げられた。
集いの終了後、教皇はチャールズ英国王と並んで、システィーナ礼拝堂を後にされた。
