「世界のための平和の預言者に」レオ14世、アッシジでイタリア司教団に

教皇レオ14世は、イタリア司教協議会の総会の最終日、開催地のアッシジを訪問された。

 イタリア司教協議会は、11月17日から20日まで第81回総会を行なった。

 教皇レオ14世は、その最終日、開催地であるイタリア中部アッシジを訪問。

 アッシジのサンタ・マリア・デリ・アンジェリ地区のスタジアムにヘリコプターで到着された教皇は、まず、アッシジの丘にある聖フランシスコ大聖堂に向かわれた。

 教皇は、下聖堂のクリプタにある聖フランシスコの墓に降りられ、墓前で祈りの時を持たれた。

 続いて、教皇はアッシジの丘の下に位置する、サンタ・マリア・デリ・アンジェリ聖堂に到着。

 聖堂内に保存される小聖堂で、聖フランシスコの信仰生活と深い繋がりを持つ「ポルツィウンコラ」に入られた教皇は、祭壇に献花され、祈りを捧げられた。

 イタリア司教協議会総会の閉会にあたり、教皇は聖堂内に集った司教らを前に言葉をおくられた。

 レオ14世は、教皇登位後初めてのアッシジ訪問に喜びを表明。この地は、世界が切実に必要としている信仰、兄弟愛、平和のメッセージを伝える、大変意義深い場所である、と話された。

 教皇は、聖フランシスコがここアッシジで「聖なる福音に従って生きる」ように主から啓示を受けたことを回想。

 「イエスを見上げることは、わたしたちにとっても、何よりもまず求められていること」であり、今日、これまで以上に「イエス・キリストを中心に据え、福音の喜びが示す道に沿って、人々がイエスとの個人的な関係を築き、福音の喜びを見出す手助けをする」ことが大切と話された。

 「イエスの御顔を見つめることで、わたしたちは兄弟たちの顔をも見つめることができるようになる」と述べた教皇は、「われわれをこれらの人々へと駆り立てるのは、イエスの愛」であり(参照2コリント5,14)、「わたしたちの平和であるイエスへの信仰(参照 エフェソ2,14)は、すべての人にイエスの平和の賜物をもたらすよう招いている」と語られた。

 「国内・国際情勢において、分裂が広がるこの時代、敵意や暴力に満ちたメッセージや言葉が横行し、効率を追求する中で最も弱い立場の人々が取り残され、テクノロジーの全能性が自由を圧迫し、孤独が希望を蝕み、多くの不確実性が未来に重くのしかかっている」現状を教皇は直視。

 それでもなお、「御言葉と聖霊は、共同体の中で友情と、兄弟愛、真の絆を創り出す者となるように、また、ためらいや恐れなく、耳を傾け、緊張を和らげ、出会いの文化を育み、世界に対し平和の預言者となるようわたしたちに呼びかけている」と話された。

 教皇は、シノダリティとは、何よりも「キリストと共に、神の王国に向かって、全人類と一致して歩むこと」であると強調。

 重要なのは、この共同体的なスタイルの中で、共に働くことを学び、各教会で、開かれ、受容の心にあふれたキリスト教共同体の構築に尽力し、その関係性が福音宣教のための相互の責任へと結びつくことである、と教皇は説かれた。

 レオ14世は、イタリアの教会が個人と社会の実存的な歩みを助け、包括的な人間主義を推進し続けること、いのちの価値とあらゆる被造物への配慮を高め、合法性と連帯の文化を広めるために、公的議論の中で預言的な役割を果たすことを希望された。

 そして、教皇は、「聖フランシスコの模範が、わたしたちにも真の信仰に導かれた選択を行う力と、教会としてこの世における神の国のしるし・証しとなる力を与えてくれるように」と祈られた。

20 11月 2025, 14:55