教皇「お年寄りは人民の知恵、社会全体の宝」

教皇レオ14世は、滞在中のトルコ・イスタンブールで、高齢者施設を訪問された。

 教皇レオ14世は、トルコ滞在2日目、11月28日午前、イスタンブール市内の高齢者施設を訪問された。

 同日朝、イスタンブールのカテドラルで、同国の教会関係者との集いを持たれた教皇は、そこから比較的近くにある、カトリック系老人ホームに赴かれた。

 貧しき人々の小さな姉妹会が運営するこのホームは、様々な国籍や宗教に属する高齢の病者、障害者、身寄りのない人々をケアしている。同会は、1839年、聖ジャンヌ・ジュガンによってフランスに創立された修道会で、困窮する高齢者への支援と奉仕を中心に、現在世界30カ国以上で活動している。

 レオ14世は、施設の入口で同修道会の管区長や修道院長らに迎えられた。

 施設内の礼拝堂には、入居中の高齢者、職員、修道女、支援者ら、およそ100名が集い、教皇を歓迎した。

 レオ14世は挨拶で、人々の温かいもてなしに感謝を述べながら、この訪問から得た思いを分かち合われた。

 教皇はまず、貧しき人々の小さな姉妹会の会員らに向けて、同修道会の名前の美しさについて話された。

 「皆さんは「貧しき人々の小さな姉妹」なのです。主は皆さんを貧しい人々を支え助けるだけでなく、彼らの「姉妹」となるよう召されました。皆さんはイエスのようであるべきです。御父からイエスが遣わされたのは、わたしたちを支え助けるだけでなく、わたしたちの「兄弟」となるためでもあったのです」と教皇は指摘。

 キリスト教的慈愛の鍵は、他者のためにあるより先に、兄弟愛に基づく交わりにおいて、まず他者と共にあること、と説かれた。

 次に、教皇は、同施設の入居者に向けた言葉で、「皆さんはお歳を召しておられますが、今日お年寄りという言葉は、真の意味を失いかけています。効率と物質主義が支配する社会的状況の中で、お年寄りへの敬意は失われてしまいました」と憂慮を表された。

 しかし、レオ14世はこの状況に対し、「聖書と良き伝統は、教皇フランシスコが繰り返し言われたように、お年寄りは人民の知恵であり、孫たち、家族、そして社会全体にとっての宝であると教えています」と話された。

 教皇は兄弟愛のもとに人々を、特に高齢者を温かく迎え入れるホーム関係者の、忍耐と祈りを必要とする奉仕に心からのお礼を述べ、神の寄り添いと祝福を一同の上に祈られた。

28 11月 2025, 16:33