レオ14世:教会は急ぐことなく築かれる共同体のための「建設現場」

「ラテラン教会の献堂」の祝日、教皇レオ14世はローマの「ラテランの聖ヨハネ大聖堂」でミサを捧げられた。

 カトリック教会の典礼暦は、11月9日、「ラテラン教会の献堂」を祝った。

 同日午前、教皇レオ14世は、ローマの司教座聖堂であり、「すべての教会の母」である、ラテランの聖ヨハネ大聖堂(バシリカ・ディ・サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ)でミサを捧げられた。

 このミサは、ローマ教区教皇代理司教バルダッサーレ・レイナ枢機卿、同教区補佐司教・教区副管理者レナート・タランテッリ・バッカリ司教のほか、10人の司教、およそ160人の司祭らによって共同司式され、約2700人の修道者や信徒らが参列した。

 教皇はミサの説教で、313年、キリスト教徒に信仰と礼拝の自由を与えたコンスタンティヌス帝の意志により建設され、同世紀、聖シルヴェストロ1世教皇によって献堂された、ラテラン大聖堂の歴史を振り返った。

 「ラテラン教会の献堂」が今日まで記憶されているのはなぜか、と教皇は問いながら、それは教会にとって非常に重要な歴史的出来事を思い起こすためだけではない、と指摘。

 「すべての教会の母」であるこの大聖堂は、単なるモニュメントや歴史的記憶以上のもの、「キリスト・イエスという隅の親石を土台に、選ばれた、尊い石たちによって造り上げられた生ける教会のしるし」であり、わたしたち自身も「生きた石として用いられ、この地上に霊的な神殿を築く」ために加わっていることを思い出させるもの(参照 1ペトロ2,4-5、教会憲章6)と話された。

 教皇は大聖堂を支える基礎の重要性に触れ、もしこの聖堂を建てた人々が、堅固な基礎を見つけるまで深く掘り下げずに残りの部分を築いていたならば、建物全部がそのうち崩れ落ちてしまっただろうが、幸いにも先人たちが壁を高く積み上げる前に、苦労して掘り下げ、堅固な基礎を築いてくれたおかげで、わたしたちは安心していられる、と語られた。

 わたしたちも生ける教会の働き手として、堂々たる建物を築く前に、自分自身とそのまわりを掘り下げ、キリストという裸の岩に達することを妨げるあらゆる不安定な要素を取り除かねばならない(参照 マタイ7,24-27)と教皇は説かれた。

 そして、レオ14世は、「神の御国に奉仕するためのあらゆる仕事において、わたしたちは性急で表面的であってはならない。深く掘り下げ、この世が基準とするものから自由でなくてはならない。この世は、待つことの叡智を知らないために、あまりにも即座の結果を求め過ぎる」という聖パウロ6世の言葉を示された。

 「イエスはわたしたちを変え、神の偉大な建設現場で働くよう招かれる」と述べた教皇は、近年、教会の歩みを表現するために「建設現場」というイメージがしばしば用いられることに言及。

 活動、創造性、努力を物語るこの美しいイメージは、同時に、苦労や、時には複雑な解決すべき問題をも示しながら、現実に即した実感される努力のうちに、カリスマを分かち合い、牧者たちの導きのもと、日々成長する共同体の姿を表していると話された。

 教皇はこのような教会の姿を映し出す例として、現在ローマの教会がシノドスの長きにわたる作業の実りを、「現場」と照らし合わせ、検証し、その成果を実施に移す段階にあることを挙げ、困難な道のりであっても落胆せず、むしろ共に成長するために、自信を持って取り組みを続けるよう励まされた。

 また、教皇は、「教会の活動が目指す頂点であり、同時に教会のあらゆる力が流れ出る泉」としての「典礼」(参照 典礼憲章10)を、大聖堂の使命の重要な一面として強調。

 特にペトロの座であるローマにおいては、典礼に対し、神の民全体の手本となるように心がけることが必要であり、規範の尊重と、参加者の様々な感性への配慮のもと、叡智あるインカルチュレーションの原則に従うと同時に、ローマの伝統に特有の厳粛で節度ある様式に忠実でなければならないと述べられた。

 そして、教皇は、典礼の簡素な美しさが、キリストのからだである教会全体の調和のとれた成長のために、信仰の価値を表現できるものとなるよう、できる限りの注意を払うようにと願われた。

09 11月 2025, 21:03