教皇レオ14世、トルコの信者たちとミサ

教皇レオ14世は、トルコの信者たちと、イスタンブールでミサを捧げられた。

 教皇レオ14世は、11月29日、トルコ訪問3日目午後、同国のカトリック信者たちとミサを捧げられた。

 ミサの会場となったイスタンブールの多目的ホール、フォルクスワーゲン・アレーナには、トルコ全土、また世界各国から参加した信者たち、およそ4千人が集った。

 トルコの宗教人口は、99%がイスラム教に属し、この他、キリスト教(正教会、アルメニア使徒教会、カトリック、プロテスタント等)や、ユダヤ教などが、少数派として存在する。

 この地の保護聖人、使徒聖アンデレの日の前夜に、また降誕祭の準備期間「待降節」の幕開けに捧げられたこのミサは、教皇レオ14世が海外の訪問先で公式にとり行う初めてのミサとなった。

 ニケア(ニカイア)公会議1700周年を機に行われた、レオ14世のトルコ訪問のエキュメニカルな側面を象徴するように、入祭の際には教皇とコンスタンティノープル総主教バルトロメオス1世が祭壇に向かって歩みを共にした。

 教皇はミサの説教で、『イザヤ書』の、このミサ中第一朗読された箇所(2,1-5)を、同書の中でも最も美しい箇所の一つとして観想。この中では、すべての民が「主の山」に登るように招かれ、そこは光と平和の場所として示されている、と話された。

 まず、「どの峰よりも高くそびえる山」(イザヤ2,2)というイメージに、山の上の町、シオンの美しさを見つめた教皇は、それを神への忠実さの中で再生した共同体の象徴、あらゆる出自の人々にとっての光のしるしと捉えつつ、その姿は、善の喜びが伝染するものであることを思い出させるもの、と語られた。

 善の喜びが他者に伝わっていく例として、教皇は、ペトロは兄弟アンデレの熱意によってイエスと出会い、そのアンデレは使徒ヨハネと共に、洗礼者ヨハネの熱意によって主に導かれたこと、また、その数世紀後、聖アウグスティヌスは、聖アンブロジオの熱心な説教によってキリストにたどり着いたことを挙げ、多くの聖人が同様の体験をしていると指摘された。

 次に、教皇は、預言者イザヤがこの箇所で伝えるもう一つのイメージ、それは平和が支配する世界であると述べられた。

 「彼らは剣を打ち直して鋤(すき)とし、槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない」(2,4)というイザヤの言葉を示された教皇は、今日、この呼びかけはいかに差し迫ったものであるか、自分自身の中にも、わたしたちの間にも、平和と一致と和解がどれほど必要とされていることか、と話された。

 この必要に応えるために、わたしたちはどのように貢献できるだろうか、と問いながら、教皇はそのヒントを、今回のトルコ訪問のロゴに用いた「橋」というシンボルの中に探すように招かれた。

 トルコの海峡に架かる橋が、大陸や岸をつなぎ、交流と出会いを可能にしていることに触れながら、教皇はトルコの信者たちに、橋を架けることを通して3つの一致、すなわち、様々な典礼様式を持つカトリック共同体の内部における一致、他のキリスト教教会とのエキュメニカルな一致、そして、他の宗教の兄弟姉妹たちとの出会いにおける一致を励まされた。

 最後にレオ14世は、もう一つの橋の存在に言及。「わたしたちの歩みは、地と天をつなぐ橋の上を行くかのようです。その橋は、主がわたしたちのために架けてくださいました。神と兄弟姉妹たちを心から愛し、共に歩み、いつの日か御父の家で皆が再会できるよう、常にその両岸を見つめ続けましょう」と、教皇は信者らに呼びかけられた。

30 11月 2025, 12:54