教皇、アフリカ4カ国訪問を終え、帰国便機内で記者団と
教皇レオ14世は、第3回海外司牧訪問として、4月13日から23日まで、11日間、アルジェリア、カメルーン、アンゴラ、赤道ギニアを歴訪した。
教皇は、アフリカ4カ国訪問を終えた、4月23日、赤道ギニアのマラボからローマへ戻る特別機の機内で随行記者団の質問に応じられた。
まず、4カ国歴訪の最終ステップ、赤道ギニア訪問の印象をめぐる質問に、レオ14世は、司牧訪問の性質について触れながら回答した。
レオ14世は、「わたしが、教皇、ローマ司教として行う訪問旅行は、何よりもまず、神の民を見出し、寄り添い、知るための使徒的、司牧的な旅です。しかし、関心はしばしば政治的な方向に向かいます。教皇はこの問題やあの問題について何と言っているのか。なぜ教皇はある国の政府を批判しないのか、など。確かに言うべきことはたくさんあります。わたしは正義について話しました。また様々なテーマがあります。しかし、それが最初の言葉ではありません。
この旅は、何よりも、福音を伝え、イエス・キリストのメッセージを宣べ伝えたいという願いの表れとして解釈されるべきです。それは人々の喜びや、信仰深さ、また苦しみに寄り添うための方法なのです。[…]国家元首と話し合うことも重要です。そうすることで、人々の意識を変え、国民の幸福についてより考えが開け、国の豊の分配といった問題について検討する可能性が生まれるかもしれません」と語った。
「訪問全体に非常に満足しています。赤道ギニアの人々と共に体験し、寄り添い、歩んだことは、まさに恵みでした…雨と共に」と教皇は同国の訪問を振り返った。
次に、イラン紛争終結に向けた交渉は混乱し、経済にも深刻な影響が出ているが、市民、学生らの抗議活動をふまえ、イランの政権交代を支持するか、という問いがあった。また、世界中で核開発競争への懸念が高まっているが、米国、イラン、イスラエルに対し、膠着状態を打開し、事態のエスカレーションを止めるためにどのように訴えるか、との質問が提示された。
これに対し教皇は、「わたしたちは新たな態度、平和の文化を育む必要があります。多くの場合、ある種の状況を判断する際、即座に『暴力、戦争、攻撃によって介入すべきだ』という反応が返ってきます。しかし、わたしたちが目にしてきたように、たくさんの罪のない人々が命を落としました。先ほど、攻撃初日に亡くなった子どもたちの家族から送られた手紙を読みました。[…]問題は政権交代かどうかではないのです。問題は、これほど多くの罪のない人々の死を伴なうことなく、わたしたちが信じる価値観をいかに推進していくかということです。[…]イスラエルと米国によるイラン攻撃後、現在の体制がどのようなものなのかは明確ではありません。むしろ、わたしは和平対話の継続を強く推めます。関係当事者が参加し、和平を求め、平和の促進に全力を尽くすべきです」と話した。
また、教皇は、「戦争の脅威について、わたしはこう言います。国際法は尊重されなければなりません。罪のない人々の保護は非常に重要です。しかし、いくつかの場所ではそれが実現されていません。わたしは、レバノン訪問の際『ようこそ、教皇レオ!』と書かれたプラカードを持って待っていたイスラム教徒の子どもの写真を持っています。彼はこの戦争の後半に殺されてしまいました。人間は様々な状況を生きており、わたしたちはそうした視点で考える力を身につける必要があると思います。教会の一員として、そして司牧者として、改めて言います。わたしは戦争を支持することはできません。そして、憎しみや分裂ではなく、平和の文化から来る答えを模索するよう、皆さんを励ましたいと思います」と語った。
スペインにおける移民問題は広い議論と強い二極化を生み、カトリック信者の間でもこの問題における明確な立場は定まっていないが、移民問題についてどのように考えるか、とスペインの記者から質問があった。
レオ14世は「移民問題は非常に複雑です。それはスペイン、ヨーロッパ、米国だけでなく、多くの国に影響を与えています。まさに世界的な現象です。そこで、わたしは答えは、次の質問から始まるのです。グローバル・ノースは、グローバル・サウス、あるいは、若者たちが未来を見出せずに北へと移住することを夢見る国々を支援するために、どのような取り組みを行っているのか、と。誰もが北に向かいたがりますが、北では彼らに機会を提供するための答えがなかなか見つかりません。多くの人が苦しんでいます。
人身取引も移民問題の一部です。わたし個人としては、国家には自国の国境に関する規則を定める権利があると考えます。誰もが何の秩序もなく入国すべきだとは言いません。移住先で、以前いた場所よりもさらに不当な状況が生まれることもあるのです。
しかし、こうしたところで、わたしは思うのです。豊かな国々は、貧しい国々の状況を変えるために何をしているでしょうか。政府援助や、財力のある企業や多国籍企業からの投資など、あらゆる手段を使って、今回の旅で訪れたような国々の状況を変えようと試みることはできないのでしょうか。
アフリカは、鉱物を採掘しに行き、その豊かさを手にして、他者や他国を富ませる場所だと多くの人から考えられています。これらのアフリカ諸国の正義、平等、発展を促進するために、世界的なレベルにおいて、わたしたちはもっと努力すべきではないでしょうか。そうすれば、人々はスペインや他の国々に移住する必要はなくなるでしょう。
そしてもう一つ触れておきたい点は、移住する人たちは人間であり、わたしたちは彼らを人間らしく扱うべきだということです。動物以下のような扱いがあってはなりません。ここに大きな課題があるのです。ある国はこれ以上人々を受け入れられないと言うことはできるかもしれません。しかし、これらの人々が到着するならば、彼らは人間であり、その尊厳ゆえにすべての人間が受けるべき尊重を受けるに値するということです」とこのように答えた。
今後の訪問予定についての質問に、レオ14世は、「ラテンアメリカのいくつかの国を訪れたいと強く願っています。今の段階では確定していませんが、どうなるでしょうか。そうだといいのですが」と話した。
記者会見の後半、再びイランについて、イランはまた反体制派の人を処刑したと報告されている、同政権はこれまでも多くの反体制派を公開処刑し、多くの自国民を殺害したと言われているが、こうした行為を非難するか、という問いがあった。
教皇はこれに対し「あらゆる不正行為を非難します。他者を殺害することを非難します。死刑を非難します。わたしは人間の生命は尊重されるべきであり、受胎から自然な死に至るまで、すべての人の生命は尊重され、保護されなければならないと信じています。それゆえ、ある政権や国が他者の生命を不当に奪う決定を下す場合、それは当然非難されるべきです」と強調した。
