アチェッラ訪問:教皇「変化は、わたしたちの眼差しを変えることから」
教皇レオ14世は、5月23日、イタリア南部カンパニア州アチェッラへの司牧訪問を行われ、環境汚染に苦しむ周辺地域の自治体の各首長や信者たちとの出会いを持たれた。
アチェッラ市内の広場で行われた集いには、ここ数十年、有害・特殊廃棄物の不法投棄や違法埋め立てによる土壌・水質汚染、違法廃棄物の焼却・火災などで拡散する煙やガスによる大気汚染のために「火の地」と呼ばれてきた一帯の各自治体の首長や信者たちが参加した。
レオ14世は人々への挨拶で、アチェッラ訪問の主な目的を「いのちの芽生えがただちに死の脅威にさらされる状況を前に、すべての正直な心が感じ取る尊厳と責任感の高まりを強め励ますこと」と述べ、「信仰の賜物を持つ人は誰でも、その心の高まりは創造主なる神からもたらされ、神はご自身が温めておられるいのちの計画のために、すべての人の中に協力者を求めておられることを理解するだろう」と話された。
この地には「いのち」と「正義」があると教皇は述べながら、「わたしたちはいのちを選び、死の鎖から自らを解放しなければならない」と説かれた。
「あきらめや、妥協、必要かつ勇気ある決断の先送りは、常に微妙な都合の良さを持っている。運命論、嘆き、他者への責任転嫁は、違法行為の温床、良心の荒廃の要因である」と教皇は指摘。
「一人ひとりがその責任を引き受け、正義を選択し、いのちに奉仕するように」、「共通善は、一部の人々や、大小の特定のグループの利害よりも優先されるべき」と話された。
教皇は「再生の時」へと向かって歩む人々に、それは記憶を消し去る時ではなく、倫理的な行動と共に、記憶を活かす時、回勅『ラウダート・シ』がすべての人に呼びかけたように、一人ひとりの責任感から発する、環境問題に対する思索的眼差しの時、と述べ、「 変化を求められているならば、わたしたちの眼差しを変えることから始めなくてはならない」と語られた。
また、教皇は、若者の教育はもとより、すべての人の教育の必要を強調。「この地域と地球全体をいやす善を築くために」、経済的、社会的メンタリティー、さらには宗教的意識における、真の変革への道を示された。
そして、個人主義や消費主義に偏らない経済やそのシステムの追求、さらなる人間関係への配慮、共通善の促進、地域社会への愛着、移民・移住者の受け入れと社会への統合などを通し、これまでと異なる形の豊かさを学ぼう、と招かれた。
今年帰天800年を迎えるアッシジの聖フランシスコは、平和は他者への思いやりの上に成り立つということを思い出させてくれる、と述べた教皇は、わたしたちは共存を学ぶために同じ家=地球に住んでおり、この家の問題は皆の問題、その美しさは皆の美しさである、と、人々の意識に訴えられた。
