教皇、医療技師たちの愛と責任感ある奉仕に感謝

　教皇フランシスコは、1月16日、イタリアの医療技師たちに挨拶をおくられた。

　この日、教皇がお会いになったのは、診療放射線技師をはじめ、臨床検査技師、臨床工学技士、理学療法士、作業療法士など、医療の現場で技師、専門家として働く人々の代表者らおよそ150人。

　教皇は、これらの医療技師、専門職の人々の日ごろの献身、特に新型コロナウイルスによるパンデミックのもとで、自らの健康のリスクをかえりみることなく、人々のために尽くした、その愛と責任感あふれる奉仕に深い感謝を述べられた。

　効率や生産性を第一とする今日の風潮の中、弱い存在は、はじき出され、拒まれ、居場所をなくしている、と教皇は述べつつ、こうした「切り捨ての文化」に対し、道端に見捨てられた瀕死の人に自ら近寄り介抱する「善きサマリア人」のたとえを体現する、「いたわりの文化」の必要を説かれた。

　自分に託された患者たちを「再び立ち上がらせ、回復させる」という仕事には、患者一人ひとりに「人間」として接する姿勢・視点が大切であることを教皇は指摘。

　同時に、医療技師たちもまた一人の「人間」であり、その仕事にふさわしい尊重を受け、より良い状況の中で患者たちのために働けるよう、配慮を必要としている、と話された。

　「健康とは贅沢ではない。病者を切り捨てる冷酷な世界に未来はない」と述べた教皇は、すべての国で、すべての人に医療へのアクセスと健康をめぐる基本的権利が保証されることを願われた。