神のことばの主日:教皇「驚きに満ち、心を開いてイエスに耳を傾けよう」
カトリック教会は、1月26日(日)、「神のことばの主日」を記念した。
典礼暦「年間第3主日」に記念される「神のことばの主日」は、聖書により親しむことを目的に、「ブルガタ訳」と呼ばれるラテン語訳聖書の翻訳者、聖ヒエロニモ司祭教会博士(347頃-420)の帰天1600年を機会に、教皇フランシスコにより制定された。
その第6回目を記念した日、教皇フランシスコはバチカンでミサをとり行われた。
このミサには、広報関係者の聖年行事のためにローマ巡礼中のジャーナリストや教会広報担当者らが参加した。
教皇はミサの説教で、この日の福音朗読箇所(ルカ1,1-4、4,14-21)を取り上げ、特に、イエスが故郷ナザレの会堂で預言者イザヤの数節を朗読し、「この聖書の言葉は、今日、あなたがたが耳にしたとき、実現した」(同4,21)と話し始められる場面を観想。
まだ始まったばかりの聖年の「神のことばの主日」に、「油を注がれ」(同4,18)、「主の恵みの年を告げるために」(同4,19)遣わされたイエスがメシアとしてのご自身を啓示される場面を聞くことは、なんという幸せな巡り合わせだろうか、と話された。
「イエスは生けるみことばであり、そのみことばのうちに聖書のすべてが完全に成就する」と述べた教皇は、「今日、聖なる典礼において、わたしたちもまたイエスの同時代人として、驚きに満ちながら、心を開いてイエスに耳を傾けよう。なぜなら教会で聖書が朗読される時、話しておられるのはイエスご自身だからである」と招かれた。
教皇は、イエスが会堂で朗読されたイザヤの言葉の中に、「貧しい人に福音を告げ知らせる」、「捕らわれている人に解放を告げる」、「目の見えない人に視力の回復を告げる」、「圧迫されている人を自由にする」、「主の恵みの年を告げる」という5つのメシアの態度を指摘。
「イエスは、わたしたちの解放を実現し、わたしたちの貧しさに寄り添い、わたしたちを悪から救い、わたしたちの眼差しを照らし、抑圧のくびきを断ち切り、永遠のいのちへと導く喜びの時と歴史の中にわたしたちを入れてくださったことで、イザヤの預言をすでに成就された」と説かれた。
「わたしたちも知っているように、主がわれわれに与えてくださる救いは、まだ完全には実現されていない。しかし、戦争、不正、苦しみ、死が最後に勝つことはない。実に、福音は決して欺かない、生きた確かな言葉である」と教皇は話された。
神のみことばに捧げたこの日曜日、世の救いのために人となられたみことばを父なる神がわたしたちに差し向けてくださったことを感謝し、キリストの福音に熱意をもって応え、愛のために創造され贖われたこの世界を神の御旨に従って変えていこう、と呼びかけられた。
説教に続き、ミサにおける朗読奉仕者たちの任命式が行われた。
教皇は、神のみことばを会衆に告げる任務を通して、多くの人が御父と御子イエス・キリストを知り、永遠のいのちを得ることができるようにと、世界各国出身の40名の朗読奉仕者候補に神の祝福を祈られた。
そして、教皇は任命された朗読奉仕者たち一人ひとりに、ブルガタ訳の聖書を手渡された。
