広報関係者の聖年:教皇と巡礼者らとの出会い
バチカンで広報関係者を対象とした聖年の行事が行われている。
教皇フランシスコは、1月25日(土)、パウロ6世ホールで、世界各国のジャーナリストや教会の広報関係者たちとお会いになった。
この謁見には、日本からも大阪高松大司教区補佐司教の酒井俊弘司教を団長に、教会で広報に携わる人々からなる巡礼団が参加した。
教皇はこの出会いで、用意された原稿を広報省のパオロ・ルッフィーニ長官に託され、テキストを用いずに、コミュニケーションとは何かについて、短い講話を行われた。
「コミュニケーションをとるとは、自分のものを他者に与えるために、自分自身から少し外へ出ることです」と教皇は述べた。
同時に「コミュニケーションとは、単なるアウトプットではなく、他者と出会うことでもあります」とも話された。
「コミュニケーションを知ることは、大きな叡智です」と述べた教皇は、広報関係者らによるこの聖年の行事を喜ばれた。
教皇は「皆さんの仕事は築くこと、それは社会を築き、教会を築くことです」と語る一方で「そうして皆が前進して行くのも、真実あってのことです」と注意を投げかけられた。
「『わたしはいつも本当のことだけを言っています』と言う人がいるかもしれませんが、「あなた自身は本物ですか。あなたが話すことだけでなく、あなた自身は、あなたの内面は、あなたの生活は本物ですか」と教皇は皆に問われ、「これは大きな挑戦です」と強調された。
「神が御子と共になさることを告げること、父と子と聖霊について宣べ伝えること、神的なことを伝達すること」と話しながら、教皇は教会の広報関係者の仕事に感謝を表わされた。
この後、教皇は会場を回りながら、巡礼者らに挨拶と祝福をおくられた。
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この出会いのために用意された原稿で、教皇は特に「希望を語る」ことの大切さに触れている。
典礼暦で「聖パウロの回心」を祝ったこの日、教皇は、パウロの変化の源に注目された。
パウロの変容が復活されたイエスとの個人的で生きた出会いを基礎としたように、自己の変革へと歩み出す力は、常に人と人との直接的なコミュニケーションから生じると指摘。
パウロの回心は、彼を包んだ光と、その後、彼がダマスコでアナニアから受けたこの出来事についての説明から生まれたと振り返りつつ、皆さんの仕事もまた、人々の心を打つ光に正しい説明を与え、物事を別の視点から見させるものとなるべき、と記している。
また、教皇は皆さんの「ストーリーテリング」が「ホープテリング」になるようにと述べ、悪い出来事について語る時も、裂かれたものを再び縫い合わす可能性、壊れたものを修復する善の力の余地を残す必要を説いている。
教皇はこの集いで、真実を追求し、戦争の恐怖を報道するために命をかけるすべての報道関係者に感謝され、戦争の犠牲となったすべてのジャーナリストのために祈られた。
同様に教皇は、自分の職務に忠実であったというだけで不当に投獄されたジャーナリスト、写真家、ビデオ・オペレーターらの解放と、報道の自由をアピールされた。
