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教皇レオ14世、昨年「平和のアレーナ」(伊・ヴェローナ)に参加したイスラエルのマオズ・イノンさんとパレスチナのアジーズ・アブ・サーラさんと 2025年5月30日 バチカン宮殿 教皇レオ14世、昨年「平和のアレーナ」(伊・ヴェローナ)に参加したイスラエルのマオズ・イノンさんとパレスチナのアジーズ・アブ・サーラさんと 2025年5月30日 バチカン宮殿  (ANSA)

教皇「青少年のために、非暴力的な異なる生き方の証しを」

教皇レオ14世は、イタリア・ヴェローナで昨年、教皇フランシスコの参加を得て行われた集会イベント「平和のアレーナ」の開催に携わった人々とお会いになった。

 教皇レオ14世は、イタリア・ヴェローナで創始されたミーティングイベント「平和のアレーナ」の推進者・協力者らとお会いになった。

 「平和のアレーナ」は、1986年、ヴェローナのシンボル、古代円形闘技場「アレーナ」で開催された集会を初回とし、非暴力を理念に据えつつ、その時々の状況をテーマに反映しながら、数年ごとに集いを重ねてきた。2024年5月18日には、教皇フランシスコが参加し、大集会が開かれた。

 5月29日、バチカン宮殿で行われたレオ14世との出会いには、昨年のミーティング開催に尽力した、様々なムーブメントや組織、またヴェローナ教区やコンボーニ宣教会の関係者ら300人が訪れた。この中には、家族をハマスやイスラエル兵に殺害されながらも、昨年の集会に共に出席し、対話と平和を訴えたイスラエルのマオズ・イノンさんとパレスチナのアジーズ・アブ・サーラさんの姿も見られた。

 レオ14世は、ヴェローナの集会で教皇フランシスコが述べた、平和の構築には被害者の立場に身を置き、視点を共有することが必要という言葉を思い起こし、このような見方は心や、眼差し、考えの武装を解き、切り捨ての文化を根源とする不平等なシステムを告発するために不可欠なもの、と話された。

 平和に向けて歩むには、他者に配慮するよう訓練された心と精神、現状の中で共通善を識別する能力、平和の歩みは共同体的なものであるという認識が必要とも教皇は述べ、「平和とは目に見えない財産であり、それは皆のものか、誰のものでもないかのどちらかである」という聖ヨハネ・パウロ2世の言葉を引用された。

 「世界、そしてわたしたちの社会にはあまりに暴力が多すぎる」と教皇は指摘。戦争、テロリズム、人身取引、広がる攻撃的態度を前に、青少年にいのちの文化と、対話、相互尊重を教えることが必要であると語られた。

 特に、青少年たちには、非暴力的な、異なる生き方を証しできる人が求められていると述べた教皇は、地域や日常のレベルから、世界レベルに至るまで、受けた不正や暴力に対し復讐の誘惑に抵抗できる人々こそが、平和構築のための非暴力の歩みの信じうる証人となっていくだろう、と話された。

 教皇フランシスコの回勅『フラテッリ・トゥッティ(邦訳:兄弟の皆さん)』が、繰り返し「わたしたち」を築き上げる必要を説いているように、この「わたしたち」が制度レベルでも実現されなければならないとレオ14世は強調。そのためにも、歴史という生地の中で、一致と、交わり、兄弟愛のパン種として生きて欲しいと、関係者一同を励まされた。

30 5月 2025, 17:21