ジロ・デ・イタリア、バチカン市国へ、教皇、選手らを祝福
イタリアで毎年開催されるプロ自転車ロードレース、ジロ・デ・イタリアは、2025年5月9日から、第108回大会を開催。全21ステージの最終コースを、6月1日、ローマで迎えた。
同日、選手らは正式スタート前に、ローマ市内のカラカラ浴場遺跡から、ローマ中心部、そして、EUR(エウル)方面に向かうパレードランを行った。
このパレード走行区間の一部として、選手団はテベレ川を渡り、バチカン市国内に入り、教皇レオ14世からの挨拶を受けた。
ジロ・デ・イタリアでバチカン市国内をニュートラル走行するアイデアは、教皇庁教育文化省長官、ジョゼ・トレンティノ・デ・メンドンサ枢機卿が提案、教皇フランシスコの認可を得て、バチカン市国行政庁とバチカンの公式スポーツ団体「アトレティカ・バティカーナ」の協力によって実現された。
今回のジロ・デ・イタリアのバチカン市国内走行は、2025年の聖年を記念する「自転車による巡礼」であると同時に、スポーツの価値・役割を積極的に推進した故教皇フランシスコへのオマージュの性格を持つものとなった。
ベルニーニ回廊の「腕」に沿いながら、バチカン市国に入った159人の選手らは、聖ペトロ大聖堂の脇にあるプロトマルティリ広場で、教皇レオ14世から歓迎された。
ローザ=ばら色(個人総合首位の選手)、チクラミーノ=紫(最多ポイント獲得選手)、ビアンカ=白(25歳以下の個人総合最優秀選手)、アッズーラ=青(山岳賞獲得選手)の、4色のジャージをそれぞれ身につけた今大会の4人の代表選手に囲まれた教皇は、すべての参加者に向け言葉を述べられた。
教皇は、「ジロ・デ・イタリアの最終ステージで皆さんにご挨拶できることをうれしく思います」と述べ、「この一日が皆さんにとって本当に素晴らしいものとなりますように」と願われた。
ジロ・デ・イタリアがイタリア以外の国々でも愛され、スポーツ一般がそうであるように、自転車競技は非常に重要であると教皇は話しつつ、「皆さんは全世界の若者たちのモデルであることを知ってください」と強調された。
そして、教皇は「皆さんが体を大切にすることを学んだように、精神も常に尊いものであるように。体、精神、心、魂といった、人間全体にいつも留意してください」と希望された。
次いで、教皇は英語でも挨拶をおくられ、「皆さんは、ここバチカンで、また神の愛の象徴である教会にいつでも歓迎されています」と呼びかけられた。
最後に、教皇は一同を祝福し、これからバチカン市国内を周遊する選手たちを見送られた。
こうして、選手たちは、バチカン市国の緑と静粛に囲まれた、高低の豊かな3キロのコースを走った。
一団は、バチカンの大聖堂の側面、サント・ステファノ・アビッシーニ教会、バチカン庭園、ルルドの洞窟を模した礼拝堂、サン・ジョヴァンニの塔、マーテル・エクレジエ修道院、バチカン市国行政庁、バチカン市国駅舎、そして聖母像をはじめとする様々な宗教的モニュメントの前を通過しながら、市国全体を広く巡った後、ペルジーノ門を出て、イタリア側のコースに再び戻った。
