レオ14世「被造物を大切にする使命は神から託された使命」
教皇レオ14世は、7月9日、被造物保護のための初めてのミサを滞在先のローマ郊外カステルガンドルフォで捧げられた。
このミサは、先日7月3日公布された教皇庁典礼秘跡省の教令『被造物保護のためのミサの式文と聖書朗読』に沿って、同教令に添付されたミサ式文と聖書朗読を用いて司式されたもの。
教皇フランシスコの統合的エコロジーを説く回勅『ラウダート・シ』発表10周年を背景にしたこのミサは、故教皇が同テーマをめぐる教育を目的にカステルガンドルフォの離宮の庭園の一角に設営を計画された「ボルゴ・ラウダート・シ(ラウダート・シ村)」の「聖母の庭」でとり行われた。
レオ14世は、初めての「被造物保護のためのミサ」を「美しい天然のカテドラル」とも言える豊かな自然に囲まれて祝うにあたり、神に深い感謝を捧げられた。
そして、レオ14世は、このミサの式文作成のために協力したすべての人々、また、教皇フランシスコがその回勅を通して示した、被造物を大切にし、皆がともに暮らす家(=地球)をいたわるという使命を伝えていくためのスペース「ボルゴ・ラウダート・シ」のプロジェクト関係者の労をねぎらわれた。
古代の教会には洗礼盤があり、人々はその前を通りながら教会に入ったが、そのことは水によるわたしたちの罪や弱さからの清めと、それを介してわたしたちが教会の偉大な神秘の中に入るということを思い起こさせるものと、教皇はこの庭園の池が与えるイメージに言及された。
教皇はミサの初めに自分たちの回心を祈ったように、わたしたちは同様に、地球に対するいたわりの必要にまだ気づかない教会内外の多くの人々の回心のためにも祈らなくてはならない、と述べられた。
世界では毎日のように各地で自然災害が起きているが、その一部は人間の過剰な生活様式から引き起こされたものである、と教皇は指摘。必要とされるその回心を、わたしたちが生きているかどうかを問いたださねばならないと話された。
「被造物を大切にし、平和と和解をもたらすというわたしたちの使命は、神から託された使命である」と述べた教皇は、「わたしたちが大地の叫び、貧しい人々の叫びを聞くのは、それが神の御心に届いたからである。わたしたちの義憤は、神の義憤であり、わたしたちの業は、神のなさる業である」と説かれた。
地球の温暖化や多くの紛争で世界が燃え上がっているのを感じることは、舟の上で嵐に見舞われて恐れを感じる弟子たちの状況に似ている、と教皇は語りながら、しかし、「わたしたちには希望がある。わたしたちはイエスと出会ったからである。イエスはふたたび嵐を鎮められる。イエスの力は転覆させるのではなく創り出す力、壊すのではなく、新しいいのちを与える力である」と強調された。
