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教皇「傾聴と奉仕、神を受け入れるための二つの態度」

教皇レオ14世は、アルバーノ教区の司教座聖堂でミサを捧げられた。

 教皇レオ14世は、7月20日、アルバーノ教区の司教座聖堂(カテドラル)でミサを捧げられた。

 ローマ近郊、アルバーノ・ラツィアーレに司教座を置くアルバーノ教区は、教皇離宮があるカステルガンドルフォをはじめ、ネミ、アリッチャなどカステッリ・ロマーニ地方西部と、アンツィオ、ネットゥーノなどローマ南西部海岸地帯から構成される。

 レオ14世(ロバート・フランシス・プレヴォスト)は、教皇フランシスコから枢機卿に叙任された2023年9月当初、バチカンに近い聖モニカ礼拝堂を名義教会として託されたが、2025年2月にアルバーノのカテドラルを名義教会として受けた。その着座式は今年5月12日に予定されていたが、プレヴォスト枢機卿は、教皇フランシスコ逝去後のコンクラーベで5月8日、新教皇に選出されたため、アルバーノのカテドラルへの着座式は行われなかった。しかし、今回、レオ14世は教皇として同カテドラルを訪れることができた。

 この朝、レオ14世は、カステルガンドルフォ離宮庭園のアルバーノ側に隣接する門から、徒歩でカテドラルへと向かった。沿道とカテドラル前の広場には多くの信徒が詰めかけ、教皇を熱心に歓迎した。

 教皇はミサの説教の冒頭で、「皆さんもご存知のように、わたしは5月12日にこのカテドラルへ来るはずでした。しかし、聖霊は別の方法をとられました」と信者らに語りかけながら、この日の「兄弟愛」と「キリスト教的喜び」にあふれた出会いを喜ばれた。

 説教で教皇は、神をどのように迎え入れるべきかというテーマを示しつつ、この日の第一朗読から、三人の人の姿をとって神がアブラハムのもとに現れたエピソード(創世記18,1-10a)や、福音朗読から、ルカ福音書中のイエスがマルタとマリア姉妹の家に迎えられた際のエピソード(ルカ10,38-42)を取り上げられた。

 イエスを家に迎えたマルタとマリアのエピソードでは、マルタはいろいろのもてなしのためにせわしくたち働き、一方、マリアはイエスの足元に座って、その話に聞き入っていた。

 レオ14世は、この二人の姉妹の態度や価値を対立させて見ることは誤りであると話され、傾聴と奉仕は、神を受け入れるために必要な二つの側面であると指摘。

 「喜びと共に人生を味わいたいならば、この二つの態度を組み合わせなければならない。一つは、イエスの足元に留まり、イエスが啓示されるあらゆる神秘に耳を傾けること。もう一つは、神をお迎えすることにおいて配慮をもって準備していること。神はひと時の憩いと兄弟愛を求める友人の姿で、わたしたちのもとを訪れ、扉を叩かれる」と述べた教皇フランシスコの言葉を思い起こされた。

 また、レオ14世は、マリアとマルタのエピソードをめぐり、「この2人の女性を通して、現在と未来、苦労した者と休息した者、せわしない者と至福にある者、今の一時と永遠、という2つの人生が象徴されている」と言った、聖アウグスティヌスの考察を紹介。

 特にマルタの仕事について、「他者をいたわるというこの奉仕から、免れ得る者がいるだろうか。[…] 疲労は去り、休息が訪れるだろう。しかし、休息は疲労を通してのみ訪れるのである」と述べた、聖アウグスティヌスの言葉を示された。

 このように教皇は、傾聴と奉仕は、人生において主の現存に自らを開くための、互いに補い合う二つの態度であることを説明された。

 レオ14世はアルバーノ教区のカテドラルでのミサ終了後、カステルガンドルフォに戻られ、教皇宮殿の前でお告げの祈りの集いを持たれた。

 

20 7月 2025, 16:43