教皇「平和に対する普遍の願望を無視してはならない」
教皇レオ14世は、8月10日(日)、バチカンで行われたお告げの祈りで、広島と長崎の80回目の原爆忌に再び言及された。
この原爆忌は、「戦争を紛争の解決手段とすることを拒否すべきであるという思いを全世界に再び目覚めさせた」と教皇は述べ、物事を決定する立場にある人々に、自らの選択の責任を常に念頭に置くよう訴えられた。
また、教皇はアルメニアとアゼルバイジャン間で署名された和平に向けた共同宣言に喜びを表す一方、ハイチの状況に憂慮を示された。
8月10日(日)の正午の祈りにおける、教皇レオ14世のアピールは以下のとおり。
**********
戦争の終結を祈り続けましょう。広島と長崎の80回目の原爆忌は、戦争を紛争の解決手段とすることを拒否すべきであるという思いを全世界に再び目覚めさせました。物事を決定する立場にある人々は、自らの選択が住民に与える影響の責任を常に念頭に置くべきです。最も弱い立場に置かれた人々の必要と、平和に対する普遍の願望を無視してはなりません。
こうした意味において、アルメニアとアゼルバイジャンが和平に向けた共同宣言の署名に至ったことをうれしく思います。この出来事が、南コーカサス地方の安定した恒久平和の実現に貢献することを祈ります。
これに対し、ハイチ住民の状況は、絶望的になる一方です。そこでは殺人、あらゆる暴力、人身取引、移住を余儀なくされる人々、誘拐等のニュースが相次いでいます。人質の即刻の解放を、すべての責任者に切に訴えます。そして、ハイチ国民が平和のうちに暮らせるような社会や制度の条件を整えるために、国際社会に具体的な支援を呼びかけたく思います。