レオ14世による「ボルゴ・ラウダート・シ」開所式
教皇レオ14世は、9月5日午後、ローマ近郊カステルガンドルフォの教皇離宮を訪問された。
この度の教皇の訪問は、離宮庭園内の施設「ボルゴ・ラウダート・シ」の開所式を行なうことを目的としたもの。
「ボルゴ・ラウダート・シ」は、教皇フランシスコが2023年2月2日に発した2つの教令をもって始められたプロジェクトのために庭園内に整備された施設で、新旧の多様なガーデンや、池、木立、農園など、統合的エコロジーの理念に基づき栽培・管理される緑地部分と、教育センターや大温室などの建物群から構成され、その総面積は55ヘクタールに及ぶ。
同施設は、エコロジー的回心をテーマにした同教皇の回勅「ラウダート・シ」の精神に沿い、統合的エコロジーを推進し、環境を保全し、人間の尊厳を保護する教会のミッションに形を与えるものとして計画された。
カステルガンドルフォの離宮に到着された教皇は、ファビオ・バッジョ枢機卿と、「ラウダート・シ教育センター」運営責任者、マヌエル・ドランテス神父らの案内を受けながら、ゴルフカートで広大な敷地をめぐられた。
途中、教皇は「おとめマリアの庭園」で、祈りの時を持たれた。また、「鏡の庭園」では池の鯉に餌を与えられたり、石段を上り、小高い場所にある教皇紋章を形どった花壇をご覧になった。
さらに、同施設の職員や家族らと交流されたレオ14世は、かつて聖ヨハネ23世教皇が被っていた帽子を受け取られたほか、馬などの動物たちと触れ合われた。
施設の屋内で催された開所式で、教皇は、ことばの典礼をとり行われた。
この中では、創世記の第一章の天地の創造の箇所、およびマタイ福音書6章の「空の鳥をよく見なさい」「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい」とイエスが自然を通して教えられる場面が朗読された。
教皇は説教で、「被造物をいたわることは、すべての人間にとって真の使命である」と強調。
それは「被造物自体の中で果たされるべき務めであり、わたしたちも被造物の間にある被造物として、創造者ではないことを決して忘れないように」と促された。
教皇は、この日除幕された「ボルゴ・ラウダート・シ」について、教会が示す「神の御業を守る者となる召命」を実現するための取り組みの一つと説明。それは、キリスト教的生活の主要な一面をなす、難しくも、美しく、魅力的な課題である、と話された。
レオ14世は、「ボルゴ・ラウダート・シ」を、「教皇フランシスコがわたしたちに残した希望の種」、「正義と平和を実らせることができる種」として提示。
「わたしたちが目にしているのは、霊性、自然、歴史、芸術、労働、技術の、調和ある共存を試みる、素晴らしき美の要約」であると述べながら、これがまさに、親しみと寄り添いの場所「ボルゴ=村」の最終的な理想の形であり、「これらすべては神について語らずにはいられない」ものである、と説かれた。
この後、教皇は聖水をもって施設を祝別された。
