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「平和のためにまず心の武装を解くように」教皇、ロザリオの祈りで

「マリアの霊性」に捧げた聖年行事として、教皇レオ14世による平和のためのロザリオの祈りがとり行われた。

 バチカンで、聖年行事「マリアの霊性の祝祭」が、10月11日から12日にかけて開催された。

 この聖年行事には、世界各地の聖母巡礼聖堂の関係者や、聖母の霊性を汲む信心会の会員らはもとより、多くの巡礼者らが参加した。

 祝祭の初日11日午後、教皇レオ14世による平和のためのロザリオの祈りがとり行われた。

 この祈りの集いは、教皇が9月24日の一般謁見の席で、同祝祭と第二バチカン公会議の開会(1962年10月11日)記念を機会に開催を発表、参加を呼びかけられたもの。

 教皇は夕陽に照らされたバチカンの聖ペトロ広場をパパモービルで一巡され、会場の巡礼者たちに祝福をおくられた。

 ロザリオの祈りの開始前、レオ14世は、このたびの「マリアの霊性の祝祭」のためにポルトガル・ファティマの巡礼聖堂からもたらされた「ファティマの聖母」像に、イタリア・ナポリの彫金工房が製作した金の薔薇をささげられた。

 この後、教皇は、ロザリオの祈りの「栄えの神秘」を会場の参加者たちと共に唱えられた。

 教皇は祈りに続く説教で、福音書に残された聖母の言葉の中でも最後のものとなる、「この人(イエス)が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」(ヨハネ2,2)という「カナの婚礼」での言葉を、マリアの遺言として受け取るよう、信者らを招かれた。

 そして、「決して終わることない、今も生み出し、働き、世界を春で覆い、祝宴の水がめをぶどう酒で満たし続ける」イエスの言葉に耳を傾け、具体的な行いを通して、血と肉、労苦と笑顔をもって、福音を実践するようにと励まされた。

 レオ14世は、この平和のための祈りの集いにおいて、特に耳を傾けるべきイエスの言葉として、イエスがゲツセマネでペトロに命じた「剣をさやに納めなさい」(参照 ヨハネ18,11)という言葉を提示。

「平和とは武装しない、武装を解かせるもの。それは抑止力ではなく兄弟愛、最後通告ではなく対話である。それは敵に対する勝利の結果としてではなく、正義の種を蒔く働きと、勇気ある赦しの実りとして訪れるもの」と話された。

 レオ14世は、「剣をさやに納めなさい」という言葉と共に、世界の指導者たちを「勇気ある武装解除」へと招きながら、同時に一人ひとりに、「いかなる思想や、信仰、政治のためにも殺してはならない」という自覚を深め、「平和のために、まず自分自身の心の武装を解くように」と呼びかけられた。

 続いて、教皇は心の奥底まで神の平安に満たされた女性、平和の元后、聖母マリアに向け、「貧しい人々と母なる大地の叫びに耳を傾け」、「あなたの御子が今も十字架につけられている、無数の十字架のそばであなたと共に立ち止まり」、「すべての人を兄弟として迎え、キリストの愛を生き、証しすることを教えてください」と祈られた。

 最後に教皇は聖体降福式をとり行われ、聖体礼拝ののち、聖体顕示台を掲げて巡礼者らを祝福された。

 

12 10月 2025, 13:43