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レオ14世、イタリア大統領をクイリナーレ宮殿に公式訪問

教皇レオ14世は、マッタレッラ伊大統領をローマ市内の官邸に公式訪問された。

 教皇レオ14世は、10月14日、ローマ市内のクイリナーレ宮殿に、セルジョ・マッタレッラ・イタリア共和国大統領を公式訪問された。

 教皇レオ14世とマッタレッラ大統領との出会いは、今年5月18日に行われた同教皇の着座式と、6月6日の同大統領のバチカン訪問の際に続き、このたびで3度目となった。

 クイリナーレ宮殿は、かつてはローマ教皇の公邸の一つであり、その後イタリア王国の国王の王宮となり、戦後にイタリア共和国大統領官邸となった歴史を持つが、レオ14世は、1946年のイタリア共和国成立後に同宮殿を訪問した6番目の教皇となった。

 教皇は14日午前、バチカンを車で出発され、バチカンとイタリアの境界を越えた地点であるピオ12世広場で一旦車を降り、出迎えたアントニオ・タヤーニ伊外相らの挨拶を受けられた。

 同広場より、教皇はイタリア共和国大統領の儀仗衛兵コラッツィエーリのオートバイ隊の護衛のもとに再び出発。大統領官邸に近い地点からは、儀仗衛兵の騎馬隊に守られながらクイリナーレ宮殿へと入られた。

 中庭での歓迎式の後、教皇はマッタレッラ大統領と官邸内で30分にわたる個人会談を持たれた。

 「祝祭の間」におけるイタリア政府および各界の要人との会見では、教皇は「平和」と「家庭」に重点を置いたスピーチを行われた。

 レオ14世は、イタリアとバチカン間の誠実な友好・協力関係、また教皇庁とイタリア国民を結ぶ強い絆に触れる中で、故教皇フランシスコの逝去に伴う様々な儀式や、現在進行中の聖年ための様々なレベルにおける協力に深い感謝を述べられた。

 また、教皇はイタリアと教皇庁との間で1929年に締結された「ラテラン条約」の100周年を数年後に迎えることに言及。カトリック教会とイタリアの、共通善と、不可侵の尊厳を備えた人間、特に最も弱く助けを必要とする人々への奉仕における協力の重要性を強調された。

 教皇は、多くの希望のしるしを見る一方で、世界の人々に影響を及ぼす、一刻も早い対応が求められる深刻な諸問題の存在を指摘。その中でも、平和への取り組みを第一に挙げられた。

 多くの戦争が地球を破壊している、と述べたレオ14世は、第一次世界大戦中のベネディクト15世や、第二次世界大戦前夜の尊者ピオ12世ら、歴代の教皇らの警告、また特に聖ヨハネ23世の回勅『地上の平和』を思い起こされた。

 教皇は、イタリア政府がバチカンの小児科病院バンビーノ・ジェズ病院とも協力しながら、戦争と貧困をめぐる多くの困難な状況、特にガザの子どもたちへの支援に尽力していることに感謝の意を表された。

 また、教皇は、来年10月3日、イタリアの保護者、アッシジの聖フランシスコの帰天800年を迎えるにあたり、これがわたしたちが「共に暮らす家」=地球を守るという急務を強調する機会となるように願われた。

 ここ数十年のヨーロッパでの出生率の低下に対し、教皇は家庭への様々なレベルでの支援の促進、その権利を守るための取り組みを呼びかけられた。

 さらに、レオ14世は、受胎から、老年期、そして死の瞬間に至るまで、あらゆる段階におけるいのちの尊重をアピールされた。

 教皇は、イタリアにおける移民への支援、人身取引との闘い等に感謝され、同国がこれからも常に開かれた連帯の姿勢を生き生きと保つことを望まれた。

 イタリアの持つはかり知れない豊かさ、しかし時に謙遜で隠された豊かさを再発見し、そこから希望を見出し、現在と未来の課題に立ち向かっていくために、同国民の素​​晴らしい冒険を教皇は励まされた。

15 10月 2025, 11:54