バチカンの広場でクリスマスツリーとプレゼピオの点灯式

　降誕祭を10日後に控えた12月15日の夕方、バチカンの聖ペトロ広場で2025年度のクリスマスツリーとプレゼピオの点灯式が行われた。

　今年のツリーは、イタリア北部、ボルツァーノ-ブレッサノーネ教区から届いた27メートルのオウシュウトウヒ。トレンティーノ・アルト・アディジェ州ボルツァーノ県のウルティモ渓谷において森林管理計画に沿って間伐される木の中から選ばれた。

　ツリーと並ぶ大型のプレゼピオ（イエスの降誕の場面を再現した馬小屋の模型）は、イタリア南部、ノチェーラ・インフェリオーレ-サルノ教区からもたらされた。ノチェーラと周辺の歴史的建造物のエレメントを散りばめた降誕の場面には、聖家族や、羊飼い、東方三博士たちのほかに、同地方にゆかりの深い聖人、アルフォンソ・マリア・デ・リグオーリ司教が家の中でクリスマスの歌として知られる「Tu scendi dalle stelle（あなたは星から降りてくる）」をチェンバロを前に作曲している姿や、同教区の二人の神のしもべ、エンリコ・スマルドーネ神父とアルフォンソ・ルッソの姿をそれぞれ見ることができる。

　翌日から始まる降誕祭のノベナ（9日間の祈り）の前晩に行われたこの点灯式には、両教区の司教と巡礼団、自治体からの使節が出席。バチカン行政庁関係者や自治体代表の挨拶に続き、ツリーとプレゼピオが点灯されると、見守る巡礼者、市民の間から大きな拍手がわき起こった。

　この後、民族衣装の人々による伝統の踊りやコーラス、バチカン警察隊のブラスバンド演奏などが披露され、バチカンの広場にクリスマスを待ち望む、温かい雰囲気を醸し出していた。