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教皇レオ14世、レバノンのキリスト教・諸宗教代表者らと

教皇レオ14世は、訪問先のベイルートで、レバノンのキリスト教諸教会および諸宗教の代表者らとの出会いを持たれた。

 レバノン訪問中の教皇レオ14世は、12月1日午後、同国のキリスト教諸教会、および諸宗教の代表者らとお会いになった。

 レバノンは、国を形作る様々な伝統・文化・宗教により、しばしば「モザイク国家」と呼ばれる。

 ベイルート市内の殉教者広場に設けられたイベントスペースには、レバノンのこうした多様性を反映・尊重するように、イスラム教の各派、キリスト教の諸教会の指導者・代表者が一堂に会し、平和の象徴、オリーブの大木が映し出されたステージを背景に、それぞれの言葉を述べた。

 教皇レオ14世はその挨拶で、ミナレットと教会の鐘楼が並んで天に向かってそびえるこの場所は、この国の揺るぎない信仰と、唯一の神に対する人々の変わらぬ献身を証ししている、と話し、いつくしみ深い創造主を讃え、平和の賜物を祈り求めるために、この愛する国に、すべての鐘とすべてのアザーン(イスラム教における、礼拝への呼びかけ)が、共に響き渡るようにと願われた。

 長い間、とりわけ近年において、世界の注目は中東に集まっている、と教皇は述べ、複雑で長引く紛争を前に、人類はしばしば中東を懸念と落胆をもって見つめている、と話された。

 しかし、こうした苦難にあっても、人々を一つに結びつけるもの、すなわち共通の人間性と、愛といつくしみの神への信仰に目を向けることで、希望と励ましを見出すことは可能である、と述べられた。

 教皇は、共存が遠い夢のように見える時代に、レバノンの人々は、異なる宗教を受け入れつつ、その共存の力強い例を示していると述べ、ここでは恐れや、不信、偏見が勝ることはなく、一致、和解、平和は常に可能である、と話された。

 教皇は、雄大な杉と並んでレバノンの伝統を形作るオリーブの木に言及。

 キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の聖典にも記されるオリーブの木は、時代を超えた和解と平和の象徴であり、その長寿と、最も厳しい環境下でも繁栄する姿は、回復力と、希望、平和的共存を育むために必要な、たゆまぬ努力を象徴している、と語った。

 また、教皇は、オリーブから採れる心身の傷を癒す油は、苦しむすべての人への神の無限のいつくしみを表し、さらに、この油がもたらす光は、信仰、愛、謙遜を通して自分たちの心を照らすようにと招くもの、と話された。

 杉やオリーブが地面の奥に広く根を張るように、世界に散らばりながらも、祖国の永続的な力と時代を超えた伝統によって結ばれるレバノンの人々に対し、今日、より緊密につながり合う世界の中で、平和の構築者となり、不寛容、暴力、差別を退け、信仰の証しをもって、すべての人に正義と調和の道を照らして欲しい、と教皇は励まされた。

 ハリッサのレバノンの聖母マリアが、毎年3月25日、国民祝日として記念されていることに触れた教皇は、イエスの母、平和の元后である、聖母マリアの愛情深い母としての抱擁が一人ひとりを導き、同国、中東全域、そして世界中に、和解と平和的共存の賜物を「レバノンの山から流れて来る水のように」(参照 雅歌4,15)あふれさせ、すべての人に希望と一致をもたらすようにと祈願された。

 集いの最後に、教皇は、オリーブの苗の象徴的な植樹を行われた。

 

02 12月 2025, 12:11