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「皆さんには夢を描く時間がある」教皇、レバノンの若者たちに

教皇レオ14世は、レバノンの若者たちとの集いを持たれた。

 教皇レオ14世は、12月1日、レバノン滞在2日目午後、ブケルケで若者たちとの集いを持たれた。

 レバノン首都ベイルートの北東20kmにあるブケルケには、マロン典礼カトリック教会のアンティオキア総大司教の座が置かれている。

 教皇とレバノンの若者たちとの出会いは、総大司教館前の広場で行われた。

 この夕方、標高650mの小高い静かな町ブケルケは、レバノン全土はもとより、シリア、イラク、その他周辺国からも訪れた若者たちであふれ、小さな「ワールドユースデー大会」を思わせるにぎわいとなった。総大司教館に向かう道には、広場に入りきれなかった参加者たちの人波が長く続いた。

 到着された教皇は、喜びにあふれる若者たちの間をゴルフカートで巡り、祝福をおくられた。

 集いは、若者たちによる合唱や演奏、平和への思いを表現したパフォーマンスや、代表による証言、質問などが行われた。

 教皇は、これらの若者たちの言葉に、苦しみの中にある勇気、失望の中にある希望、戦争下の心の平安を見出され、それは、「夜明けの光をすでに垣間見ている、暗い夜に輝く星のようである」と話された。

 レバノンの歴史は輝かしさであふれつつも、癒えることのない深い傷も刻まれている、と教皇は述べた。

 「戦争によって引き裂かれ、社会の不正義によって歪められた世界を受け継いだことを、皆さんは後悔しているかもしれない」と教皇は話しながら、「しかし、皆さんには希望がある。皆さんには、われわれ大人たちが手に入れることができないような才能がある。そして時間もある。夢を描き、計画を立て、善を行うための時間がたくさんある」と強調。

 「皆さんは現在であり、未来はすでに皆さんの手の中に築かれつつある。そして、あなたがたには歴史の流れを変える情熱がある。悪に対して真に抵抗できるものは悪ではなく、愛である。愛は自らの傷を癒し、同時に他者の傷も癒すだろう」と語られた。

 「愛する若者たち、福音の光の中で生きなさい。そうすれば、主の御目に幸いな者と映るだろう」と教皇は招かれた。

 「皆さんの祖国レバノンは、国民の一致と繁栄の象徴である杉のように、美しく力強く、再び花を咲かせるだろう」と述べた教皇は、「杉の強さは根にあり、根は普通、枝と同じくらいの長さを持ち、枝の数と強さは、根の数と強さに比例する」と指摘。

 同様に「今日、レバノン社会で目にする素晴らしい善は、多くの善意の人々の謙虚で目立たない誠実な働き、レバノン杉の枝だけでなく、木全体を美しく育てたいと願う、多くの善良な『根』の成果である」と説かれた。

 教皇は、社会に奉仕し、立場を自己の利益に「利用」しない人々の良き「根」に学ぶように、また正義への寛大な献身をもって、平和と発展の未来を共に描き、同国が待ち望む希望の樹液となるようにと、レバノンの若者たちに願われた。

02 12月 2025, 14:38