教皇「デジタル技術をいのちと平和に奉仕するものに」
教皇レオ14世は、バチカンで8月28日、国際行政科学研究所のメンバーらとお会いになった。
国際行政科学研究所(International Institute of Administrative Sciences、略称 IIAS)は、ベルギーのブリュッセルに本部を置く、1930年設立の歴史ある国際機関で、特に行政学と公共行政を専門とし、バチカンを含む世界各国の、政府・研究機関・大学・専門家らの参加と連携のもとに研究を行っている。
このたびローマ・サピエンツァ大学を会場に同研究所の年次会議が開かれていた。
教皇は関係者への挨拶で、1930年、世界恐慌の直後に誕生した同研究所が担ってきた、「社会生活を時代の絶え間ない変化に適応させ、創造主の叡智の御旨と計画を実現できるよう、政治権力者の良心に絶えず訴えかける」(参照 ピオ12世、行政科学国際会議参加者への言葉、1950年8月5日)というその使命に言及された。
同研究所の今会議が、デジタル時代を生きる世界に対し、デジタル技術の利用においてバランスを保つよう力強くアピールするものであったことに、教皇はご自身の人工知能時代における人間の保護をテーマにした回勅『マニフィカ・フマニタス』におけるものと共通する訴えを見出された。
生活に密接に影響を与え、社会のあらゆるレベルに浸透するこの問題にわたしたちは現実として向き合わざるを得ないが、AI技術革新の急速な進展は、将来的にこれらの機械を制御できるのか、人間が自らの発明の犠牲者になる危険性はどうなのか、という疑問を抱かせるものであり、中でも深刻な問題の一つは、人間のいのちに関わる決定が機械に委ねられているという認識である、と話された。
こうしたことから、「慎重さ、厳格な検証、そして時にはAIの導入の減速を求めることは、進歩に反対することではなく、人類家族に対する責任ある配慮を実践することである」(『マニフィカ・フマニタス』n.106)と教皇は述べられた。
これらの重要なツールの使用に伴う倫理の定義が必要だが、これらのツールは巨大な経済・技術プレーヤーたちの手に集中しており、国家はそれらの管理に苦労している、と教皇は指摘しつつ、人類家族の幸福が私的な利益のために犠牲にされないようにすべき、と強調。
デジタル技術をいのちと平和に奉仕するものとし、その技術をより人間を中心に据えたものにするための、公共行政への貢献方法や手段を見出せるよう、引き続き研究を進めて欲しいと、関係者らを励まされた。
